「なーにやってんだよチビ」

いきなり後ろから男の声がした。それが昨日の彼だとは、声ですぐにわかった。

つかチビって!

アタシが唯一気にしてることなのにそんなまぁ軽々と言ってるし!

この人なんかムカつく!!

あああぁぁ…やっぱりアタシが思い描いてる人なんていないのかなぁ…

はぁ〜………

そう思うと同時に、アタシは大きなため息をついた。

「おい!オレの顔見てため息とか失礼なんですけど!やってもらうこと、増やすぞ?」


この人……なんか…“ドS”と“意地悪”兼ね備えてるよ絶対。

アタシは聞こえない位の小さな声でボソッと言った。

「意地悪ジジイ…」

「あ?」

……訂正。
この人は“ドS”“意地悪”“地獄耳”の3つ兼ね備えてた。


ってゆーか名前聞いてなかった…


そう思ってることがわかってたように彼は言った。


「そーいやオレの名前、まだ言ってなかったよな。
オレは錦戸暁(ニシキド アキラ)。アキラでいいから。」

……アキラ……か

とりあえず歳上だし“くん”つけといたほうがいいよね…


「わかった。あ 一応言っとくけど、アタシは柊実衣菜。ミーナって呼んでね」