二重人格弟に溺愛中



「今日は最後の晩餐だな……」



お父さんは未だ涙ぐんでいる


いつもならあたしはお父さんを茶化しているけど、今日ばかりはあたし達が原因だから……



「でも……二人が幸せになれるなら父さんは嬉しいよ…」



あたしもお父さんのような気持ちを体験する日がくるかな?


自分の子供を夫となる人に送り出すこと



あたしにも、そんな未来が訪れるかな?


きっと、来るよね……



「ねぇお父さん。」



「なんだ?」



「お父さん達があたしを幸せに導いてくれたんだよ?
だから…あんまり言ったことないけど………


大好きだよ…お父さん」


あたしなりのお父さんへの気持ち


「うぅ……紅莉…っ」



お父さんはあたしを抱きしめ震える手であたしの頭を撫でた


それがなんだか心地よく感じたんだ…