お姫様と靴磨きの男



「父上、もう一つ
お願いがあるのです。」

「何だい?言ってくれ。」

「明日、私を町へ
連れて行って
欲しいのです。」


父上は少し考えた。


それもそうだ。


私は今日誘拐され
かけたのだから。


だが父上は笑って
こう言ったのだ。


「よかろう。
ただし、明日は付き人
も連れて行くのだぞ?」

私はその言葉を
聞いた瞬間に
父上の胸へと飛び込んだ。