お姫様と靴磨きの男



「…しかし、
あの男は何も
受け取ってくれは…。」

「サリナ、大切なのは
物ではないのですよ。」


母上は優しく
言った後私に
向かって手招きをした。


私は母上のそばに
行くと母上は
私の耳に囁いた。

「その男の人は
感謝を表すとき
人に何をしていましたか?」

「…感謝?」


私は少し考えて
思い出した。


「その方がしている
ように感謝を表せば
いいのですよ。」

「…はい。」

私は母上に
一礼をした後、
再び父上に視線を向けた。