しかし、私は 知ってしまったのだ。 ふと周りを見ると 皆、パンを片手に 仕事をしている。 「…皆、こんな生活を?」 「ええ。 ここ周辺は身よりの ない子達やちゃんと した仕事のない者達が 集まっているのです。」 「…そうか。」 私はまた パンをかじった。 椅子作りをしている者。 糸から布を作っている者。 靴を磨いて暮らしている者。 …知らなかったのが 恥ずかしい。