「…眠れなかった」


眠れるわけない。


だって、友達だと思っていた彼に、告白されて、しかも。


「お前、ゲームしすぎじゃね?」


その本人が隣にいるわけで。


「なっ…!湊に言われたくないし!」


「は?俺はちゃんと時間通りにやってるし」


「そういう湊だって昨日…」


ま、待て。


昨日の話題出してどうするの!?


「…そうですね」


とりあえずここは素直に……。


「わ、何、やけに素直でキモい」


「………」


昨日の告白は夢か……?


「それより、今日こそあの学食狙うから!」


「ちょ…もうあたし参加しない!」


「駄目だ駄目だ」


うちの学食は人気があって、お昼はその学食目当てでわざわざ3棟に来る生徒があとをたたない。


…その凄まじさは言うまでもない。


湊に1回付き合っただけで懲りた。


「と、とにかく、あたしはやだ!」


「何でだよ」


「そっちこそ、何であたしなの!」