「ちょっと落ち着けって」
「お酒飲まないから!空気読むから俺だけのけ者にしないでぇ!」
な、なんでこんなに泣いてるの?唖然としている私に田所さんは私に話し掛けてきた。
「俺ね最近彼女に浮気されて浮気仕返したんだ。そしたら逆ギレされて別れるって言われてもう純粋な付き合いなんかやってられるかーって自暴自棄になってて」
「ええ……彼女さんもひどいけど田所さんもひどいよ」
「うん。ばれなきゃいいって問題じゃないよね。好きならしなきゃいいわけで後悔してる。嫌なこと言ってごめんね」
うるうるした瞳。捨てられた子犬のように見つめられたら……
や、やっぱりこの人憎めない。
「大丈夫。もう怒ってないですよ」
「本当に?」
「サクラが許すなら結婚式呼ぶよ」
へ?ああ……和人が結婚式呼ばないって言ったんだ。確かにこんなふうに謝りにきてくれなかったら結婚式にも来てほしくなかったかも。
「和人の友達だからいいよ」
「うわーん!サクラちゃんありがとう!」
「きゃあ!!」
「ばっ……触るな!」
勢い余って抱きつかれて固まる私。和人は慌てて私から田所さんを引き離した。


