溶けかけたアイスをスプーンですくって泣きながら和人の口に運んだ。
「サクラも口開けて」
和人も食べさせてくれるのかと思ったら口に入ってきたのはスプーンじゃなくて舌。
いつもの温かなものじゃなくてアイスに冷やされた冷たい舌が私の舌を絡めとる。
「んっ……」
初めての感覚に無意識に体が震えて顔を背けようとしても和人の腕がそれを許さない。
グッと両手で顔を包み込まれて何度も何度もキスを交わした。
「……なんかエロいっ」
「ね……こんなことしたくなるのもサクラだけだよ」
ギリギリに唇を離して言葉を発して……軽くまた唇を重ねると優しく微笑んだ。
「サクラはさ幸せそうな顔するから……俺も幸せ。もっと触れたくなる」
「だって幸せだもん。もっとして……ドキドキしたい」
私が……優しいキスのほうが好きだって和人が知ってるのは
私が幸せそうな顔をしてるから。
お互いが幸せで、自分も幸せに思えるなんて……
こんな素敵なことってないよね――……?


