「サクラの機嫌とりで結婚指輪を選びに行こうなんて言ったわけじゃないよ?」
「分かってるよ!」
私が何で不機嫌なのか分からない和人は寝る時間になっても私を気遣ってくる。
「……どうした?いつも何でも話してくれるのに今日は元気ないし突然キレるし意味が分からない」
た、確かにそうだよね。意味分かんないよね。
いつもなら和人と向き合って大好きな腕の中に包まれて寝るのに思いっきり背を向けて寝てるし。
それでも和人は後ろから私を抱き締めてくれていた。
「私もね……そろそろ落ち着いたほうがいいと思って頑張って和人に接してたのに元気ないなんて言うから……」
「それで?キレてたの?」
コクンと頷くとため息をついて私の頭を撫でてくれた。
「素のサクラを消してまで頑張らなくていいじゃん」


