「それ彼氏がいない私に喧嘩うってる?」


「へ?違いますよぉ」



仕事中、森田さんに朝の出来事を話すと呆れられた。なんか私って和人のことを話すと惚気てるって言われちゃうんだよね。



「この間の飲み会のときに彼氏見ればよかったなぁ。そんなに年離れてるように見える?」


「うーん……周りから見たらどうなんですかね?」



一度も釣り合ってないって言われたことないし。何より和人が全然気にしてないから私も安心して横に並べてたんだけど……



「お疲れ様でーす」



自動ドアが開かれると大学生の古川さんがスタスタと歩いてくる。



「あ!古川くんは美山さんの彼氏見たんじゃないの?」


「チラッと見ましたよ。挨拶はしなかったけど」


「どんな感じ?」


「落ち着いた雰囲気」


「美山さんと釣り合ってる?」




森田さんの質問に古川さんは私の顔をジィーと見てきて首をかしげる。



な、何っ?!
やっぱり釣り合ってない?!