「これ以上はしないからキスだけたくさんさせて?」


「やだ……キスだけじゃ足りないっ」



乱れた息を整える間もなく和人の首に腕をまわした。



「……私、和人とエッチするの嫌じゃないよ。触れてキスして幸せな気分になれるから」



でもね……



「ただ抱き締めてくれるだけの時間も……つくってほしい」



私の言葉を聞いて和人は苦笑いして額にキスを落とした。



「……うん。ごめんね」



最初から……


こんなふうに伝えればよかった。和人なら分かってくれるのに。



その夜は初めての時のように優しく、時間をかけて私を抱いてくれた。



思い出しちゃった。



初めて求められた時、不安もあったけど嬉しくて……



経験なかったけど和人なら後悔しないって受け入れた。



今でもあの時の自分の考えは間違ってなかったって思ってる。



だって……私……今



すごく幸せ――……