寝室に戻ってきた和人の目も見ないで出ていこうとする私の体を和人はふわりと抱き上げた。



「きゃ!何……」


「寝よう」



予想外な言動に動揺を隠せない私。和人は私をベッドに寝かせると持っていた毛布をかけて布団を首までかぶせてくれた。



そして電気を消すと私の隣に横になって



少し遠慮がちに



私の体を抱き寄せていつものように優しく両腕で包み込んでくれた。




久しぶりの温もり。

たった二日間だけだけど一人で寝たベッドより全然暖かくて涙が出てきた。



ただ、嬉し涙じゃない。



大好きな和人の腕の中。でも足りない。言葉が気持ちが心が



今の私たちは完全に繋がっていなかったから。