「だからって家出はよくないよ」


「いいの!私もうキレた!!」



たくさん泣いて時間がたつと悲しさよりも怒りのほうが沸々と沸き起こってきて真央のアパートに転がり込んだ。



「実家はお母さんたち心配させちゃうし」


「そうだね。和人さんの印象も悪くなるからそこはサクラもお利口!」




マジギレしていてもそんな配慮をしてしまっている私って……


やっぱり和人のこと大好きなんだよね。悔しいけど。



「でも心配するからうちに泊まることだけは連絡しな?」


「……うん」



さすがに私が連絡なしで家に帰ってこなかったら心配……しちゃうよね。




電話は嫌でメールを打つことにした。



「夜カレーでいい?作りかけてたんだけど」


「食べたい!自炊するようになったら人に作ってもらうご飯って嬉しいよね!」


「うん。サクラと二人でご飯なんて初めてだからワクワクするね!」



うんうん。小学生からの付き合いの真央。お互いの家に泊まりに行ったことはあっても親がいたわけだし



二人きりでお泊まりだなんて私たちも大人になったんだなぁって感じてワクワクする。