「サクラはメイクとか時間かかるからこのまま先に行って。俺が取ってくる」


「うわーん……本当にごめんね」



和人がタクシーから降りた時、思い出したかのように私に手を差し出した。




「必要最低限のものしか持ってきてないから家に置いてきた。サクラの貸して」


「え?」



和人の言葉に首をかしげる。ポカンとした瞬間、ハッと気付いてゴソゴソとバックから取り出したもの。



この世で二つしか同じカタチのものはない


私たち二人だけの場所に入れる


大切な大切な





――愛かぎ。








++愛かぎ*love×key* END++