「サクラ……ッ」



顔をあげた和人も涙を流していて左手で腕の中に抱き寄せられる。



「ごめ……ん」


「何が……?」


「臆病でごめん……」




きつく強く抱き締められて私も背中に腕をまわした。



「好き……」


「うん……俺も好き」


「別れないから……」


「別れたくない……一瞬でも……口にしようとしてごめん……」



本当だよ……



和人のバカ……




「今度こそ誓う……嘘はつかないから……だから」



体を離して視線が交わる。和人は私の涙を右手で無造作に拭うとそのまま唇に触れた。