「それでも嘘はつかないでほしかったな……」


「そうだね。結婚したからには大切だよね。だからこそ今みたいに逃げないで和人とぶつかりあわなきゃ」



泣いて俯く私の頭を藍ちゃんは優しく撫でてくれた。



「うん……そうする」




嘘をつかれて悔しくて家に帰らないで和人を心配させてやり返すみたいな子供っぽいことはやめる。



顔なんて見たくないってそんなの一時的な感情。



会いたいよ……だって大好きな人だもん。



「本当に送らなくて大丈夫?」


「うん……」



玄関先で藍ちゃんに抱きついた。



「藍ちゃんありがとう……藍ちゃんに今日会えてよかった」


「私も……またサクラちゃんと普通に話せて嬉しかったよ」



何度もお礼を言って藍ちゃんのアパートを後にした。