帰りの車の中でも私は一言も話さなかった。マンションに着くと服も着替えないでベッドに横になった。 「サクラどうした?」 「疲れたから一人にして」 ベッドに座って私の頭に触れてくる和人の大きな手。 「……怒ってんの?」 「怒ってない」 「……もしかしてリカとの会話聞いてた?」 寝室に流れる沈黙が私がイエスだということを物語っていて…… 和人はため息をついた。