ルンルン気分で帰る私を待っていた和人と鉾田さんはクライアントとプランナーという立場ではなく 同級生でも友達でもなく 「悪いけど担当変えてもらえない?」 「なんで?」 「サクラは勘がいい子だから……知られたくない」 「そうね……昔のことだけど私たちの関係を知ったらショックだよね」 何……関係って? 仕切りの壁の向こうから聞こえてくる二人の会話は 男と女……としてしか見えなかった。 ただの関係じゃ……なかったんだ。