『なんで実家に帰らないの?体調悪いならなおさら……』
ああ……もう……
「ごめん……お母さん達静岡のおばあちゃんんちに行ってるの」
携帯を耳にあてながら目を閉じた。具合の悪さからか横になっていてもぐるぐる回っている感覚に陥る。
『……全く。今はその話はいいや。具合は?一人で大丈夫そうなの?』
「うん。一人でも大丈……」
「サクラちゃんシャワーありがとう。タオル勝手に借りたから」
………………………。
わ、忘れてた。
加藤先生のシャツを汚してしまったうえにマンションまで送り届けてもらったことが申し訳なくてシャワーを使ってもらってたんだ。


