タクシーをひろって急いで加藤先生のいるキャバクラに向かった。
加藤先生は一人だけ三次会に突入していたらしい。
「サクラちゃんこっち!」
指定された店の前で加藤先生が待っていてくれて笑顔で指輪を手渡してくれた。
受け取った指輪を強く握り締めて安堵のため息をついた。
「ありがとうございます!大切な指輪だから良かったです」
なくなったことにも気付かないなんて私どうかしてるよ。
「サクラちゃん顔赤いよ?」
「そうです……か……」
「ちょっ!サクラちゃん!」
……やっぱおかしい。加藤先生が二重に見える……
グニャリと視界がぼやけて倒れる私を加藤先生が支えてくれた。


