ベッドの下に置かれたバックの中から携帯を取って通話ボタンを押した。
『サクラちゃん?加藤先生でーす』
「え?加藤先生?どうしたんですか?」
さっき別れたばかりの加藤先生からだった。和人だと思い込んでたから脱力しちゃう私。
『食事した中華屋から連絡きてさートイレに指輪の落とし物があったって。もしかしてサクラちゃんの?』
――あ。
「私のです!」
そうだっ!トイレで手洗う時に外してそのまま置いてきちゃったんだ!
『探してるかなーと思って一応電話しておこうと思って。俺が預かっておくね』
だっダメ!
「いえ!今から取りに行きます!」
大切な指輪。入籍するときに指輪なしとか有り得ない!


