私は動揺を隠せなかった。

涼さんが不思議そうにこっちを見ているのに気が付いて、慌ててボールを拾う。



「ん? 何々、見惚れるほどカッコよかった?」

涼さんは明るく言った。



視線を合わせられない。



ダメっ!

私、気付いたからには、もう涼さんと、会えない。



涼さんは、僚二じゃない。



これ以上近付いたら、重ねて見てしまいそうで、怖かった。