「それが、分からないんだ。俺達が駆け付けた時には、おまえはもう陸の上で回りに人影は無かった。お礼の1つも言わなきゃいけないんだけどなぁ」

「……うん……」



誰なんだろう?

まさか、本当に僚二だったんじゃ……なんて、まさかね。



お兄ちゃんが私の顔を覗き込んできた。



「希未ちゃん達、呼んでくる?」

「あっ、うん。お願いしまーす」



お兄ちゃんは私の返事を聞いて、笑って部屋を出て行った。