私は、心も体も固まったままだった。 しばらくして、やっと動いた手で、そっと唇に触れる。 キス……された? そう自覚したとたん、涙が溢れてきた。 決して不快だったからの涙ではなかった。 むしろ、不快に感じなかった自分への涙だった。