「なぁ、美雪」 次に涼が何を言うのか聞くのが怖くて両目を、ギュッ、と閉じ、両耳を手で塞ぎ、首を左右に振り続けた。 ダメ。 私はこれからも、僚二の事だけ思って……。 ──えっ?── 一瞬だったけど、唇に何かが触れて、思わず目を開けた。 ドキッ すぐ目の前に涼の顔。 視線が合うと、涼の瞳は優しく微笑んだ。