「なぁ、美雪」 私はずっと首を左右に振り続けていた。 「俺と居て、楽しい、って感じた事ってあった?」 一瞬、ドキッ、としたけど、無言で首を左右に振る。 「俺と居て、ドキッ、とした事ってなかった?」 ドキッ 今まさに心臓が鳴った……けど、首を左右に振る。 ──怖かった。── 頷いてしまうと、私の中で何かが壊れてしまいそうで……。