それを拾って、ハッ、とする。

私、立ち上がって涼を見た。



「これ、涼の?」

「ん? あっ、それ? そうだよ」

「汗で汚しちゃった……ごめんなさい」



すると、涼は、クスッ、と笑った。



「そんな事、気にしなくていいよ」

そう言って涼は手を出して、それを受け取ろうとした。