見えない罪と、月

セリルの瞳はとても力強かった。それは強い意志を持っている証拠。

彼の決意が決して揺るがないと言う事を知ったルシェ。

もう何を言っても無駄だ。今出来る事はセリルの意思を無駄にしない事。

その為にルシェは泣きそうになるのを堪え、セリルが行った道を走り出す。

ルシェの背中を見送りながらセリルはただ一言“またね”と、呟く。


「さて。すぐにやるのもつまんないから、冥土の土産に1つの話をしてやるよ」


ルシェの姿が完全に見えなくなった所で、若い男はそう話す。

やるなら手っ取り早くやって欲しいのに。セリルはそう思った。


「お前が死んだら、あとの2人も始末する」


セリルは目を見開いた。約束が全く違う、と。


「この場を助けてやるって意味だったんだがな。さっきの取引は」


セリルの心は再び怒りで満たされた。