セイルの事を考えれば自分の命で済む位なら安い物。

なら答えはもう決まっているじゃないか。セリルにあまり迷いはなかった。


(……あ、やっぱり俺達って兄弟なのかな)


自分を犠牲に誰かを助けようとする部分はセイルと似ている。

こんな所で自分達がやっぱり兄弟だと思い知らされるのは……と、

心の中で自身を嘲笑った。せめて他の所が似て欲しかった。


「おい、何を笑っているんだ!? 答えを聞こうか」


心の中で笑ったつもりが、どうやら表に出てしまっていたようだ。

笑った理由はスルーしてセリルは真っ直ぐな目で自分の意思を伝えた。


「セリル君……まさか……」


虚しくも、ルシェの嫌な予感は的中した。


「彼女を放して。俺はどうなっても良いから」