「だからルシェ、今ならまだ引き返す事が出来る。選択は君に任せる」

「任せるも何もねえ、勝手に巻き込んでおいて逃げろっての!? 出来る訳ないでしょ! それに……」

「?」

「命捨てる覚悟なかったら、あんな場所にはいない。それにもうあたしだって身内なんでしょ? 幸せにしてくれるんでしょ?」


急にしおらしくなるルシェ。

気付けばセリルは使えそうな家具などを探しに行ったらしく、その場には2人だけであった。


「まあ、時間は掛かるけれどね」

「……駄目とか否定しないんだ?」

「君の意思を尊重したいから」


笑いあう2人の近くで、大きなテーブルを持ったセリルがそんな2人の会話を聞いていた。

セリルの心の中はグシャグシャなままであった。