見えない罪と、月

だが此処1ヶ月、ヒジリが出たと言う情報は一切なし。

自分から行動を起こした方が良いのかもしれないと、考えていた矢先に先程のセイルの一言。

セイルは殺し屋にイレイスの抹消を頼む事なんて望んではいない。

それは自分達が殺した事と同じになり、更にフィアーである自分達は迫害される。

何があっても揺るがなかったセリルの意思が少しだけ揺らぐ。セイルの言葉によって。


(イレイスがいなくなれば、俺達は助かる。でも兄さんは望んでいないし、俺を心配している)


ベッドの上で枕に顔をうずめて深く深く考え込むセリル。


程良い眠りが来た頃に出た結論は……


“それでも俺は生きたい”


自分達が生きる為には犠牲だって必要だ。という結論に至ったらしい。

そうしてセリルはそのまま眠りに落ちた。