この想いを君に…

「お疲れ様」

高速道路を走れば。

あっという間に家に着いた。

「あ…ありがとうございます」

あたしは少しよろけながらも、車から降りると。

目の前には和風の大きな建物。

…こんな家に住んでる身近な人をあたしは知らない。

後部席から降りてきた光さんの顔をジッ、と見つめた。

「光さん、こんな家の跡取りだったの?」

「あー…まあ」

恥ずかしそうに松葉杖をつきながら家の門扉を開けた。

…そりゃ、親は早く大阪に帰ってこい、とか結婚しろとか言うはずだわ!!

あたしはハッ、と我に返ると後部席に置いた荷物を取って慌てて光さんの後を追った。