翌日。

お盆真っ最中。

朝一番の新幹線に乗って一路、大阪へ。



あたしはサーキットに移動する時に通ったくらいで観光したり、ゆっくりと滞在する事はなかった。



「ホンマ、ごめんやで」

隣に座っている光さんが謝る。

「いいよ〜、ママには勝てないから」

あたしは思わず苦笑い。

「まあ、大阪に着いたら妹が迎えに来てくれるから、移動で疲れる事はないと思うけど…」

光さんは俯いた。

どうも気が重いみたい。

「…大丈夫?」

思わず言ってしまった。

「うん…。
あのテンションの高いババアとむっちゃんをまた会わせなあかんと思うとちょっとな…」

確かに。

光さんのお母さんは…

迫力があるし、まさしく『大阪のおばちゃん』

「でも、あたし、気にしないから大丈夫」

満面の笑みを浮かべると光さんはようやく微笑んだ。

といっても。

はかない笑みだけど…