「光さん、退院おめでとう!」

ふと、リビングに顔を出したのは祥太郎だった。

「おお!ありがとー!!」

光さんも嬉しそうに笑った。

あたしはパパの隣に座る。

「じゃあじゃあ、みんな揃ったところで…
光くん、何か一言!」

ママが嬉しそうに言った。

「どーも、皆さん、ご迷惑をおかけいたしました。
まだまだ完全復活は遠いですがよろしくお願いします」

光さんが頭を下げると拍手が起こった。



「ちょっと!知樹、取りすぎ!!」

「いーだろ!!」

「あー!泰樹も!!」

最近、三つ子達は食欲旺盛でいくら食べても足りないらしくて度々、食べ物の取り合いをしている。

その光景を見て光さんは

「ウチでは絶対にありえへんかったな…」

と微笑んでいた。

「光さん、一人っ子?」

あたしが聞くと

「妹がいてるよ…15歳年下」

…15歳。

ママと悠斗との歳の差に次ぐ年齢差だなあ。

「あいつが生まれた頃はもう、俺はバイク中心の生活やし。
一緒に過ごしたというのがないから」



…そっか。

ママと悠斗は結構会ってるからそうでもないかもしれないけど。

離れてるとそう思うんだね。