「悠斗、帰ろう!」



帰る、と言ってもあたしは自転車、悠斗は電車だけど。

駅まで悠斗を送る。

二人乗りは叱られるから(見つかれば校内の草むしりをさせられる)自転車を押す。



「私も一緒に帰っていい?」

香奈があたし達の間に入ってくる。

「うん、いいよ」

そう言わなければ、悠斗はきっと嫌な顔をするから。

悠斗も柔らかい笑みを浮かべて頷いた。