この想いを君に…

けれど。

上空を見上げると。

嫌な雨雲がかかりはじめていた。

そして、ポツポツと降り出す雨。

どのチームのピット内も慌ただしくなった。

次々とピットインしてくるチームが多い。

レインタイヤに換えて走ろうと判断するチームがほとんどだ。

もちろん、祥太郎のチームもサインを出しているけど、祥太郎は無視してそのまま速度を落として走行していた。

ピットインしたチームはタイヤを換えて勢いよく出ていったけど…

その3分後。

雨は上がり、再び夏の太陽が照りはじめた。



祥太郎の予想は的中している。

スロー走行したもののピットインしている時間のロスを避けた形で我慢した結果、空は晴れ上がり、路面は乾いた。

他のチームが再びピットインするのを横目に、祥太郎はガンガン走り続けてトップを独走していた。