日曜日。

来週レースのある光さんを中心によく通っているサーキットを借りて走行する事になった。

ウチのチームは。

祥太郎のチームと比べたら小さいので。

普段走行練習するところは割と近場のサーキットで調整したりする。

しかもお店は普通に営業しているから、メカニックの至さんは来ない。
ママも今日は店番。

だから、パパと光さんとあたしと知樹だけ。

「頑張ってね〜!」

泰樹と桜が一応ついて来たけど、バイクの事はちんぷんかんぷんなので手伝えない。



まずは光さんから。

…調整する必要もない気がする。

凄い。

それでも走行が終われば首を傾げてパパに報告をしていた。



さて。

次はあたしと知樹。

…イライラする!

自分のペースで走れない。

確実に知樹は上手くなっていた。

最初はあたしが先行して走っていたのに。

途中であっさりと抜かされた。

けれど。

ここでは負けられない!

必死についていく。

知樹の一瞬の隙を逃してはいけない。