ラスト1周。

光さんは少しずつ、祥太郎を引き離していた。

最終コーナーから青いマシンが見えて。

1位でチェッカーを受けた。

左手を握りしめて天高く突き上げた光さん。

昨日、あたしにしっかり見ておけ、と言っていた。

その言葉通り。

1番になった。



あまりにも、かっこよくて。

気がつけばあたしは泣いていた。

自分が優勝しても泣かなかったのに。