「タイムは出てるよ。
しかも自己ベスト」

至が振り返って言った。

しかし…

そのフォームが。

なんでそんなに腰を浮かすのか。

「…まさか」

総一は思わず呟いていた。

予選はもう、充分に突破出来る周回数、ラップタイムだ。

「いつでも帰ってこい、睦海」

総一が呟いた。