「まっ、あんたの場合、普段かなり真面目に仕事してるから注意されるだけで済んで良かったけど…」



「ゴメン…」



「朝…スッゴく忙しかったんだからっ!!」



「ほんと…ゴメンなさい。」



あたしはテーブルを挟んで座る玲夏に謝ると、



「ココ…奢るから、許してください…。」



「そんなの当たり前でしょっ!!」



「はい。」



ビールをグイッと豪快に呑む玲夏を見つめながら、はぁ~っと大きなため息をついた。



ほんと…



遅刻しちゃうなんて…



情けないよ。



なんか…



泣きそう。



そしてあたしは目の前のカクテル…



“モスコミュール”を一口呑むと、



揚げ出し豆腐を摘む玲夏を見つめながら鼻を啜った。