「お前いつもそれやんけ!」


笑いながら智也が言う。


「まぁ俺がジュースでもおごったるわ!コンビニ行こうや!」


「あ、俺も行く」


大基がそう言うと、智也と康太と三人で近くのコンビニに向かって、楽屋を出た。


「なぁ、竜二」


「お?」


「お前らのバンド、23時から始まるんやんな?」


「おぉ。何で?」


「それまで、家帰るわ。まぁ間に合うように来るから」


「お?わかったけど、何で帰るんや?おっとけよ!」


「明日から新年やろ?せやから、部屋でも片付けよーかなーと思て。ほな、またな」


「おう、わかった!ほんなら、絶対来いよ!」


「おう」







22時、50分。


再びライブハウスに着いた健は、入り口の透明ガラスのドアを開けると、正面の赤い扉を開け、客席に入った。