女は急いで携帯電話を取り出すと、警察に掛けた。


「もしもし、警察です」


「すみません、包丁を持った人が暴れているの!すぐ来てください!」


「は?」


「だから、殺されそうなんですよ!」


「そんなことで電話しないでください」


「……え?!警察でしょ?無責任なこと言わないで!」


「……うるさいなぁ。それ以上うるさかったら、殺しに行くぞ?俺は街の奴等とは違って、銃持っとんねん。ハハハハハ」


絶望の表情で電話を切る女。


そのとき、二人の目の前には一人の男が立っていた。