「で、どうしたのかしら?」
先生は机の椅子に座ると、私を長椅子に座らせた。
「・・・ちょっと、頭が痛くて」
仮病を使うのは気が引けるけど。
ほんとの事は言いづらいし。
だからと言って、今更帰るわけにもいかないし。
頭が痛そうに顔をしかめてみた。
「ふふっ。」
え?
先生は口に手をあてて、笑っていた。
とても上品な笑い方。
「貴女、嘘が下手ね。」
「えっ?」
顔だけをこちらに向けていた先生は、私の方に向き直った。
「恋の悩みなんでしょ?」
・・・・・・え。
「凄い!どうしてわかるんですか?」
あ。
嘘ですって言ってるようなものじゃん。
「ふふ。
私は保健の先生よ?」
そうお茶目に笑った先生は、魅力的で。
この人になら相談できる。
相談したいって思えた。
先生は冷たいお茶を出してくれて、
私の話を黙って聞いてくれた。
不思議。
話すだけで、気持ちが楽になる。
とても理解してくれる先生で。
30分間だけ、ベットで眠らせてくれることになった。
『少し寝ちゃえば忘れちゃうわよ。』
なんて言われたら、そんな気がしてきちゃう。
本当に凄い人。
程よく涼しくなってる保健室。
日の光が、心地良い。
静かで、落ち着くこの空間。
そのままウトウトと眠ってしまった
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