小走りで近付けば、手首を掴まれてくいっと引き寄せられる。 と、思ったのに。 私の手首を掴んだ手は、そのまま私を後ろに引っ張る。 優しく、会議室から出された私はゆっくり閉まるドアを見てた。 抱き締められなかった寂しさと合わさって、より胸が苦しくなっている気がする。 ・・・もう、入ることはないんだね。 あの時間はもう戻らないんだと、今更実感しちゃったりして。 鼻がツーンとする。 胸が締め付けられる。 この時間が、私にとってどれほど大きい存在だったのかを 思い知らされた気がした。 .