「そう、痛い一言ね。」



なんとかキスシーンをやり遂げて、ありがたい休憩中。


きっぱりと言われた私は、一度机に突っ伏し。



顔を上げた。






「・・・やっぱり?」


「でもさーーー・・・」





体制を整え、愛のきつい一言を待つ。





「いい方じゃない?」


「・・・・・・へ?」


「別に付き合ってるわけじゃないんでしょう?

好きな子を忘れさせるくらいに、アタックすればいいじゃない。」






なるほど、と納得させられてしまった。





それならと鞄に入っていた雑誌を広げ、読み始める。








「いきなり何してるの?」



「ん?女磨きしようと思って。」



「は?」




「まずは、ダイエットでしょ?

それから、メイクに・・・

あ、このストラップ可愛い。」





ペラペラと雑誌をめくり、メイクコーナーを注意深くチェックしていると。



ため息が聞こえた。






「いきなり何かと思ったら。

ダイエットは体によくないでしょう。

ストラップもメイクも、校則で『華美なものは禁止』でしょうが。」





そう。

何気に厳しい我が高校。




でも、ストラップは禁止なわけじゃないし。




「ダイエットは、間食抜きと運動。



ストラップは携帯と鞄に少しだけで。

メイクはバッチリしなければ、大丈夫でしょ?」




そうきっぱり言った私に、愛は黙ってしまった。