「おはよう、奈々美。」






まるで王子様のような優しい声に振り向いた。





・・・やっぱり。





「おはよ、達哉君。」



返事をすると、達哉君は満足そうに微笑み、歩いていってしまった。



そうだ。

そういえば、こっちは解決してなかった。





「ちょっと。」



隣にいた愛がつっつく。




「佐倉君、復帰したのに大丈夫なの?


仲良かったら妬くわよ?」



「はぁ?

なんで優斗が。


それに優斗は・・・」



優斗は・・・


そこで止まってしまった。




そうだ。

肝心なこと忘れてた。



優斗は、あの保健室の先生が好きなんじゃん。






「優斗は・・・なによ。」


「え?


えーっと、
結衣ちゃんが好きだからって。」




・・・あ、こっちも解決してない。


優斗は、先生が好きなんだよね?

春日さんじゃ、ないよね?


モヤモヤが溜まる中、愛があっけらかんと答えた。






「あら?

デマだって言わなかった?」





・・・はい?