光の中で、体中に強い衝撃を受けて、あたしは気を失いかけた。

遠のく意識の中で、人魚は優しく囁いた。

『人間どもを助けてやろう。ただし、命だけ。もしもあなたが約束を果たせたなら、そのときは望みを叶えてあげる・・・・』

どういう、こと?

約束って?

『小さな魚の姿になって、あなたの本当の仲間を探すことができたなら。女の意識を戻してあげる。あなたの姿もね。できるかしら?』

そんなの。

やるしかないじゃない。

『海は、優しいばかりじゃないのよ。お気をつけなさいな』

冷たくて、でも優しい声。

どうして・・・

『気が変わっただけよ。あたしは退屈してるの。いい暇つぶしになるわ』

その声を聞いたのを最後に、あたしの意識は完全に途絶えた。

あたしは暗い暗い意識の淵を彷徨った。

ゆらゆらゆらゆら

波に浮かんでる時みたいに。

ゆらりゆらり

・・・なんだか潮の流れが速いみたい。

体が流されてく。

起きなきゃ、起きなきゃ・・・・

「起きなきゃっ!」