早朝の海は、超バトル。

なんてったって、ハンターの朝ごはんときたら、誰よりも豪快なんだもの。

あたしだってお腹すいてるのに、逃げ惑う彼の獲物たちが邪魔して落ち着かない。

それどころか、ハンターの食い散らかしたおこぼれを目当てに、ちっちゃい奴らまで集まってくるもんだから、ほんとに・・・ほんとにっ。

バンッ

あたしは石化したサンゴのテープルをぶん殴ると、するっとひと泳ぎして、奴の鼻っ柱をぺいんっと叩いた。

「もうっ、シャーク!いい加減にしなさいよねっ。毎朝、毎朝、ちっとも落ち着いて朝ごはん食べられないでしょ?!」

涙目のシャークが鼻をフグフグさせて抗議する。

「仕方ねーだろ、俺だって腹減ってんだよっ。あんまり偉そうなこと言ってると食っちまうぞ?!」

あたしはハハンと詰め寄った。

「いーわよ、どっからでもかかってきなさいよ。ホラ、ホ~ラッ。」

シャークは覚えてろといわんばかりに逃げてった。

ふぅ、と肩をすくめると元の位置に戻る。

辺りからパチパチとちっちゃな拍手がこぼれる。

命拾いした魚達だ。

くいっと振り返ってみる。

すると、目が合うやいなや、彼らはササッと逃げてった。

まぁ、そうだよね。

だって、あたしも彼らを食べるもの。

海草で作ったお皿の上には、プルプル震える鰯ちゃん。

ごめんね、あたしだって生きるためには仕方ないのよ。

カプ。