あたし、どうしたんだっけ。

痛む身体を捻り、海面に顔を出した。

すると、とんでもなく大きな海鳥が、あたし目掛けて襲ってきた。

な、何っ?!なんなのっ?!

瞬時に身を翻し、海の底へと身を隠す。

鳥に襲われたことなんてなかったら、物凄くびっくりした。

すると、今度は何かが頭上を通り過ぎていく。

砂地に映った影を見て、悲鳴が上がりそうになった。

とんでもなく巨大な魚影。

あたしは岩陰に身を潜めると、一体何が起こってるのか冷静になろうとした。

えと。

でも、待って?

あたしのすっぽり入る岩陰なんて、この辺にあったかしら・・・?

ふいに。

ふいにぼんやりしていた頭の中に、記憶の欠片が物凄い勢いで形を作っていった。

昨日、あの夜に起こった、とんでもない出来事の残像。

それが蘇っていく。

『本当に、後悔しないのね』

ぱちんぱちんと水泡がはじける。

『・・・・・本当に、愚かな子・・・』

ぱちんぱちんぱちんぱちん・・・・・!!!

記憶が戻ってくるたびに、心の奥がぞくぞくとして、体中が震えた。

あのとき。

あの嵐の中で、あたしの運命は大きく変わってしまった。