あたしは深く深く潜りながら目を閉じた。

目に焼きついてしまった、彼らの姿を消したくて、深く深く・・・呼吸が苦しくなるまで泳いだ。

頭がしびれてくらくらする。

こんなところを、もしもシャークに襲われたなら。

ひとたまりもないかも。

でも、いっそそれでもいいのかも。

思わず、狂いそうになってるバカ頭を振った。

だめだ、何考えてんだろう。

そんなこと、ババ様が聞いてたら悲しむに違いないのに。

・・・こんなとき。

ババ様がいてくれたなら。

なんていってくれるかな。

愚かだって叱るかな。

忘れてしまえって笑うかな。

それとも、何も言わずそばにいてくれるのかな。

あたしの、傍に。

寂しいよ。

寂しい。

こんな黒い気持ちになるなんて、やだよ、ババ様。

震える目を、一度ぎゅっと閉じて、開いた。

苦しい。

さすがに息が続かない。

急浮上して水と一緒に吐き出し、新しい空気を吸い込んだ。

少しむせて、めまいがする。

何やってんだろ、あたし。

そんなときだった。

波がザワリと音をたてて、揺れた。